キャッチーを科学したかった

死ぬまでにやれなかったことばかり書いてる

TANPというサービスが最近面白い

TANPというギフトのECサービスがある。

tanp.jp


このサービスが最近面白い(と、最近気づいた)話をしたい。僕の友人の斎藤 拓泰、中内 怜、林 拓海の3人が創業した会社で作ってるサービスだ。ちなみに少額であるが僕も投資をしている。

ギフトのECと言われて何が面白いのか?と思われる方もそれなりに多い気がする。学生起業でしかもギフトECというだけで正直地雷臭半端ない。手伝い始めて1年半、投資してから半年以上経つが、売上もいつの間にか立ち上がり、1期目と2期目で売上成長率1930%を超えるくらいには結構順調だ。(一応確認した)

ギフトという業界の市場規模、購入単価と頻度、EC化率、そもそものECのトレンドラインなどマクロで見ればなんかすごそうな話はあるが、今回はそういう話ではなくて(というより僕自身がそういう話が専門外なので全然わからんというのが近い)、今回はもっとミクロな話だ。

ギフト×ECという以前の話として、なぜ人はギフトを買うんだろうか。前提としてあるのが「誰が」「どういう関係性の誰に」「いつ」送るのか、だと思う。商品自体はあくまでこれらに付随するものという認識だと、僕は理解している。何を当たり前な話を、と思われた読者もいるかも知れないが、ネットサービスにおいてこの「既に現実で起きている購買原理を観察すること」はフツーにめっちゃ重要だと僕は思う。ネットに置き換えるに限らず、ここの根本の購買原理以上に人は行動を変えることは基本無いと僕は思う。変えたいと思うにしてもどこまでは変えれそうで、どこまでは変えれなさそうかを理解すること、ここが根本のRRとファネル構造、CVRと単価と購入頻度、サービスの売り上げの大体を決めると勝手に考えている。(当たり前の話だけど)

僕が面白いと思うところは、これらの「商品の前に現れてくる大きな変数」は既存のECではあまり発生していなかったと思われるところだ。例えば服のECを例に取った場合、基本的に解決する変数は「誰が」「どの服を買う」、極論を言ってしまえばここの買う人とモノのマッチングがかなりの大部分を占めるという認識をしている。もちろんユーザーの意思決定の際に、服のデザイン、ブランド、丈、価格、それがセール価格なのか、はたまたクーポンが使えるのか、そしてそれはユーザー情報とどう結びついて...など、細かい変数が含まれているが、大局的に言えば「買う人」×「モノ」のマッチングが全てではあると思う。ギフトはちょっと違って、ギフトは「誰が」「どういう関係性の誰に」「いつ」が前に来て、「モノ」自体はかなり後の変数だ。

ここで疑問に思うのが、これらの変数をコントロールしていく際、既存ECサイトのUI/UX、ないしは仕様を丸パクリしたところで解決できるのだろうか?という点だ。僕は正直出来ないと思っている。

僕がTANPを手伝い始めたのは1年ほど前だが、注力してきたのは広告流入から入ってきたユーザーが最初に見るLPのCVR改善だ。CTOと1on1でABテストを回し、既存のECサイトのパクリを含め考えつく画面遷移とファネル構成、UIを考えつくものを色々試してきたが、たどり着いたのは既存のECのUIと結構別物だったということだ。もちろん単なる個別最適に収まってるわけではなく、ある程度LPが横展開した場合のCVRや効率性なども踏まえた上での結論だ。結果としては始めた当初より倍どころの騒ぎでなくCVRが上昇しており、最近は単月黒転も達成した。
この「誰が」「どういう関係性の誰に」「いつ」という変数があるのではないか、というのは広告時点でも感じている。TANPでCPAが低い訴求軸はやはりこちらに起因したものだ。

会員登録数/広告以外のユーザー数も増してきている。このタイミングでテストしたいのは、やはり前述の変数を前提にサービス前提のユーザーのUI/UXや仕様を設定した際に。CVRやユーザーの行動がどう変わるのかという点だ。これについて大きめのテストを近日やろうとしている。Webアプリケーションはテストしやすいのが一番の利点だ。

ギフトという領域に関しては、既存のECとはかなり変わった形になるのではないか、と思う。そして、今後ギフト以外の領域でもこういう別の変数を前提とした、既存のECのUXでは解決できていない領域はまだまだありそうだな〜という気がしてる。

単なるギフトのECと言っても、根本的なユーザー行動変数に今までと大きな違いがあり、それがCVRに直結し、さらにそれがUI・UXと仕様によって解決できる可能性があり、そしてそれは今までのEC形態では掘り尽くされていない、というのは僕は結構おもろいな〜と思う。
つらつらと長く、ミクロな話をして申し訳ないが、ここを解決するだけでまだまだ万金が出てくるように見えている。
正直手伝い始めた当初は何が面白いのかさっぱり分からなかったが、まだまだ掘り尽くされてない価値/ユーザーの意思決定のトリガーを見つけるのはやはり面白い。

まだまだ成長途中であり、やるべきことは多いので、ブログを読んで興味を持った方は是非下記リンクなどから、話を伺っていただけるとありがたい。


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なんか最近はそんな感じです。